繁盛していた親父のクリニックを継いだのですが、スタッフのことで困ってるんです!
E院長は、周辺に住宅街が広がる駅前の好立地で、診療所を営んでいます。
E家は代々、医者の家柄で、E院長は急逝された親御さんの建物・設備、そして従業員と患者さんを引き継いで、恵まれた条件でスタートを切った筈でした。
E院長は、医師免許の取得後、大学病院に勤務していました。いずれは実家のクリニックを継ぐつもりでしたが、それはずいぶんと先のことだろうと考え、親御さんとの具体的な相談は先送りにしていたのです。
ところが、お父さんが突然にお亡くなりになって、急きょクリニックを継ぐことになりました。
まだ若いE院長は、大学病院で磨いた医療の腕は確かなものですが、組織の運営は初めてです。
なんとか大学病院の引継ぎを済ませた後、早々にEクリニックの経営を始めたE院長は、持ち前の若さでなんとか運営を軌道に乗せたようです。安心していた矢先に、驚くべき相談が届きました。
なんとE院長から受けた相談というのは、クリニックの廃業でした。
E院長の質問に答えた後、廃業の理由を尋ねました。
スタッフが全員、辞めたいって言ってきたんです!
先代のお父さんの時代からクリニックを支えてきた看護師長と受付・事務の担当者と、E院長自身で採用したばかりの看護師まで、三人いるスタッフの全員がクリニックを辞めたいと相談してきた、というのです。
E院長から話を伺うと、たしかにEクリニックの運営には、人事・組織の面で、たくさんの問題がありました。
とは言え廃業を考えるには、まだまだ早かったようです。
経営の立て直しに必要な「人事・組織」の3つのポイント
関連記事にリンクを張っています。
今回は以上です。
インターナル・マーケティング:
従業員の動機づけと満足度の向上により、サービスの質的向上、顧客ロイヤリティの向上、企業業績の向上を図ります。サービス業は従業員の対応が顧客満足度に大きく影響することから、積極的、継続的にスキル向上、モチベーション向上に取り組む必要があります。
【具体例】
- 店長から従業員にサービスを提供する目的、思いを伝える
- 質の高いサービスに向けた、従業員向けの技術・知識の習得
- 従業員へのサービスの自由裁量
- 事業者と従業員、従業員同士の円滑なコミュニケーション
- 評価、賞賛、報奨、個人面談
*出典:中小機構「小規模事業者支援のための業務必携p.87」